墨についてsumi

墨のはなし

墨・墨液の原料

墨の原料は、煤(油煙・松煙)・膠・香料等で、墨液の場合は、煤(油煙・松煙・工業煙)・膠・合成樹脂・香料等となります。

各原料の特徴

油煙

油煙は、菜油・胡麻・大豆・綿実油・椿油等の植物油を灯芯で燃やして採煙します。上級油煙程芯が細かく採煙量が少なくなります。油煙系の色調は、茶系の漆黒になり、長期保存されても基本色に変化はありません。

松煙

松煙は、松脂・松の根株・松根油等をじかに燃やして採煙します。 松煙は、原料採取の時点で「生松」「落松」「根松」等と呼びます。 松煙の特色は、煤の時点で茶系と青系とがあります。墨にして長期保存すると、青味をおびてきます。

工業煙(カ-ボン)

工業煙(カ-ボン)は、石油系・石炭系・天然ガス等を原料にして採煙します。できた煤は、粒子系等も一定で、残留揮発分や樹脂分が少なく精製されています。高級墨・高級墨液関係には使用いたしません。

膠は、動物の皮や骨等に含まれる蛋白質でコラ-ゲンやゼラチンと同じ物です。水によく溶け、乾燥後も再び水になじむ性質をもっています。また、接着性もあり、温度が低くなると寒天状にかたまります。この様な利点を利用して墨を作ります。

合成樹脂

合成樹脂は色々ありますが、膠の性質によく似た樹脂を使用します。但し、ゲル化はしません。合成樹脂は固形墨には使用しません。

香料

香料は、普通は、楠の木より採取する龍脳や樟脳を使用します。他に甘松未・白檀・丁字・麝香・梅花・合成香料も使用します。香料の主な役目は、煤や膠、樹脂等の悪臭の消滅です。

墨の大きさと形

銘柄により多少の誤差はありますが、1丁型の場合、約26gで型入れをし乾燥後、約15gとなります。 これが基準となり、2丁型では30g、3丁型は45gとなります。墨の形は、色々な種類があります。ごく一般的な平らのものは「平型」、四角柱に近いものは「コロ型」と呼びます。円型・六角・八角等変形した墨もあります。これらを総じて変形墨といいます。また、磨き上げたり、極採色を施した墨や金箔を巻いた鮮やかな金巻墨もあります。

工業煙(カ-ボン)

1斤は500g。1斤を16両と呼び、その半分の250gを中国では8両(1/8型)と呼びます。さらに半分の125gで4両(1/4型)。さらに62gで2両(1/8型)、31gで1両(1/16型)となります。

和墨(日本)
1丁型・・・15g
2丁型・・・30g
3丁型・・・45g
5丁型・・・75g
8丁型・・・120g
10丁型・・・150g
唐墨(中国)
0.5両 (1/32型)・・・15g
1両 (1/16型)・・・31g
2両 (1/8型) ・・・62g
4両 (1/4型)・・・125g
8両 (1/2型)・・・250g
16両 (1斤) ・・・500g

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